スカイツリー対策知恵袋:東京アンテナ工事(株)
関東圏以外からスカイツリー対策の応援で上京された方へ
@東京タワーと東京スカイツリーが同一チャンネル
タワーとスカイツリーの両方を視聴可能とするために/送信チャンネルの把握
ご存知のように東京スカイツリー試験放送は長くても1時間で終了して、また元の東京タワーからの放送に戻ります。
つまり、東京スカイツリーの試験放送と東京タワーからの放送の両方を視聴可能とする対策工事ができれば、「事前対策工事としてはベスト」と考えられます。
2012年10月から先行して対策工事が開始されたMXテレビ(東京メトロポリタン放送)のスカイツリー移転の場合には、東京タワーからの20chの放送はそのままにして
東京スカイツリーから新たに16chの放送を開始(同一の周波数を使用していないので常に両方から平行して電波を出すことができるサイマル放送方式を採用)しているので、
特に既存の20ch(東京タワー)を停波して新規の16ch(東京スカイツリー)だけにするということは行われずに済んでいます。
東京スカイツリーと関係の深い送信所・中継局一覧
デジタル地上波中継局リスト:東京アンテナ工事(株)
空きチャンネルは無い/送信チャンネルの把握
東京スカイツリーへの移転が難しい最大の原因は、「東京タワーと東京スカイツリーが同一チャンネルであること」です。
サイマル放送ができれば、ずいぶん状況が変わるのですが、アンテナ業界人の中では「最後の砦」と言われたUHF40チャンネル代後半も
最後の最後に、みなとみらい局に使用されてしまいましたし、「ホワイトスペース」の申請を見ても関東圏においては
テレビに割り当てられている周波数に空きが無いことは明らかです。リパック前までは使用できた710〜770MHZについても
現在のところ未使用のようでありますが、すでに通信業界に割り当てが終わっています。
完全地デジ化以降の周波数の割り当て
VHF-LOW |
VHF-HIGH-1 |
VHF-HIGH-2 |
UHF-1 |
UHF-2 |
90〜108 |
170〜205 |
205〜222 |
470〜710 |
710〜770 |
携帯端末向けマルチメディア放送(地域向け) |
防災無線 |
携帯端末向けマルチメディア放送(全国向け) |
デジタル放送 |
次世代携帯電話、ITS(高度道路交通システム) |
A東京タワーと東京スカイツリー以外の送信所も重要
関東三大ローカル局の場所はつかんでおこう/送信場所の把握
道に迷ったらアンテナを見ろ
関東の場合、今でも屋根上にVHFアンテナをあちこちで見つけることができます。アンテナ業界では「道に迷ったらアンテナを見ろ」という名言も残って
いるぐらい、VHFアンテナは、「東京タワー」に向いていますので、芝公園の方位は容易に推測できるはずです。
(全国的にはBSのパラボラアンテナが南西を向いているので、「アンテナ工事業者は道に迷わない」という伝説があるのでしょう。)
上記は、三大ローカル局の位置関係を表現しています。角度差の説明を後述するので、現在地の例として、弊社を現在地にしてあります。
イメージ写真:ヒントはたくさん隠されています。上から東京タワー、東京タワー、千葉テレビ、BS
B東京タワーと東京スカイツリーの角度差の検証
遠方に行けばいくほど、東京タワーと東京スカイツリーの角度差の影響は受けにくい
角度計算でもなんでもそうですけど、まずはベタなパターンから始めるとわかりやすいので角度差90度から作図してみましょう。
お絵かきソフトを持っている方ならば、まず長方形を書いて90度を取り出し、2点を通過するように回転させると描けます。
90度の場合は2点を線分と考えても軌跡を描くことができます。(結果的には線分は直径になりますね。)
アンテナ工事屋っぽく言うと、八木式アンテナの場合の「最悪」が90度となります。
ちなみに180度の軌跡は?
東京スカイツリーと東京タワー結んだ直線上となります。笑。
この直線上は、アンテナ工事屋っぽく言うと、「アンテナを180度反転させて〜」と言いたいところですが、八木式アンテナの特性の場合、「あれ?」という結果になりがちです。苦笑。
45度も書いてみましょう。左右に対称の落花生型の軌跡を描くことになります。
同様に30度と60度という三角関数ではお馴染みのベタを2つ追加して、結論に急ぎましょう。笑。
関東の地図に落としてみましょう。
あれれ、ずいぶん小さくなってしまいました。
実は、角度差が小さくなればなるほど大きな円になるのです。
つまり、遠方に行けばいくほど、東京タワーと東京スカイツリーの角度差の影響は受けにくいということになるのです。
解説:角度差の大きい地域がスカイツリー近傍にだけ集中しているということを逆説的に表現しています。
というのも、例えば角度差1度という場所はスカイツリーと東京タワーが一直線に重なるあたりであれば、スカイツリー後方の直近にも存在しますので
、一概的に「スカイツリー近傍は角度差の影響を受けやすい」とも表現できないと考えたからです。
お時間がある方は、角度差10度の軌跡なども描かれるとイメージが湧くと思います。
角度差の影響を受けやすいこのエリアは面積は小さいですが、人口はものすごいことになっているので、「スカイツリーの移転はたいへんだ〜」ということになっているのです。
ラフな地図上に落としているので恐縮ですが、東京タワーとスカイツリーの間は約8.2km、
スカイツリーの右側の上下の直線は東京都と千葉県の県境を表現しており、
同様にスカイツリーの第一展望台を左右に横切る直線は埼玉県と東京都の県境を表現しています。
大体のエリア感を掴まれてから、アプリでご自宅の角度を調べられますとより臨場感が増すことと存じます。
イメージ写真:角度差90度ぐらいのアンテナ設置例
Cローカル放送用アンテナだけで地デジ受信していると危険度アップ?!
実際には、東京タワーを向けずに東京タワーを受信している住宅も相当数あります。
無指向性アンテナに限らず、アンテナは一方向の電波だけを受信しているのではなく、ほぼ全方向の電波をキャッチしています。
もちろん正方向が最もゲイン(利得)が高いので、テレビ送信所にはその方向を向けるのが正しいとされています。当たり前ですね。
したがって、例えば千葉県で千葉テレビと東京タワーの地デジを受信する場合、船橋送信所に向けて千葉テレビ用のUHFアンテナと、東京タワーに向けて東京局用のUHFアンテナの2本を取り付けるのが正しい工事方法と言えます。
しかしながら、世の中、正しい工事方法だけが「正解!」とは限らないという事実がそこにあります。
Q.アンテナを2本取り付けるとなると、実はアンテナをもう1本買うだけでは済まない?
A.イエス。まず混合器が必ず必要になります。その他に必要に応じてではありますが、2つのアンテナにレベル差がある場合には減衰器(アッテネーター)、受信レベルが低い場合には混合器自体も機器挿入損があり減衰の原因となり得ますので増幅器などを追加する場合があります。つまり、かなり経済的に負担が増える可能性があるのです。
そこで、経済的に施工するために昔から伝承的に行われている「裏ワザ」があるのでご紹介してみましょう。
ワザその1:ほぼ同一方向なら、アンテナ1本で両方を受信する。これは正しい工法でもあります。UHFアンテナの指向特性を考えれば、「左右30度以内」程度は利得も稼げるので「問題無し」とされています。例えば、この工法の場合、ローカル局のレベルだけを調整したいという場合には、フィルター等が必要となります。
ワザその2:ほぼ真後ろなら、アンテナ1本で両方を受信する。アンテナの指向性で「左右30度以内」の次に利得が良いのは、180度(つまり、後方)です。弊社が推奨すると問題があるかも知れないので実例として紹介すると、東京都江戸川区あたりでは千葉テレビと東京タワーが180度になる地域が多いため、どちらかの送信所に向けて1本立てるだけで、両方が受信できるというケースがあります。
ワザその3:とにかくレベルの低い方の送信所にアンテナを向けてみる。前述していますが、UHFアンテナは指向特性があるので、方向によって利得の大小はありますが、ほぼ全方向の電波を受信しています。そこで、とりあえず東京タワーか、ローカル局のどちらか受信レベルが低い方にアンテナを向けてみます。するともちろんレベルの低い方の利得が上がり、レベルの高い方の利得が下がります。うまくこのバランスが取れて、且つ、両方のテレビが視聴できれば、「結果オーライ」的になってしまいますが、アンテナは1本で、混合器も無く、減衰器もフィルターも増幅器も無く、アンテナ工事が廉価に完了しました。となるのです。
ただし、特にワザその3については、弊社のように集合住宅のアンテナ工事を専門で行っている業者では基本的に行いません。(よっぽど四方が高層建造物に囲まれていれば別ですが)
なぜなら、このような受信方法の場合、例えば遠くのビルの反射波を受信しているなどのケースが考えられ、電波の強さはあっても「歪」成分が多く含まれていることが多く、電波の質としては「良」ではないと考えられます。
デジタル化によってアナログの時のようなゴースト障害などは軽減されましたが、それは受信機側の性能向上によって軽減されたに過ぎず、オンエアの電波は必ずしも「波形の美しい」電波とは限らないからです。
イメージ写真:UHFアンテナ1本だけの設置例。広域局と県域局を1本で受信していることもあります。
実際の作業のヘルプツール
弊社が作成した無料アプリの利用方法例
@送信チャンネルの把握:現地に向かう前に予備知識は必要です。ある程度、その地域で受信できると思われる送信所の出力やチャンネルや場所を把握しておきましょう。
A送信場所の把握:現地に着いたら、まず現在のアンテナがどの送信所を受信しているのかを調査しましょう。東京タワーやスカイツリーが目視できない場合には、
「伝説のVHFアンテナやBSアンテナ」を探すか、スカイツリー発見機能が付いているアプリ「アポロニウス11号VER.2.0」か、「アポロ富士VER.2.0」で
スカイツリーの方向を見つけ出しましょう。
B角度差の把握:設置されているアンテナと各送信所との角度差を調査しましょう。角度差を自動計算するアプリ「東京アンテナ方向調整VER.2.0」で
東京タワー、東京スカイツリー、関東三大ローカル局(千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川)と現在地との角度差を知りましょう。
対策手法については、ケースバイケースなので自分で考えてください。冷たいか。笑。
東京アンテナ方向調整
東京スカイツリー移転に伴う東京タワーとスカイツリーのアンテナ角度差を計算するアプリ
大反響!!1,000ダウンロードに向かっています。
グーグルPlayストアで無料ダウンロード可能です。
最新更新情報:関東三大ローカル局(千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川)を追加
現在のバージョン:VER.2.0、更新日:2013.2.22
アポロ富士
東京スカイツリーと富士山が同じ高さに見える場所を探してブルブルッと教えてくれるアプリ
みのもんたの朝ズバッ!2013年3月18日放送でスカイツリー、桜、富士山の絶景スポットを探したアプリです。
グーグルPlayストアで無料ダウンロード可能です。
最新更新情報:スカイツリー発見機能を搭載
現在のバージョン:VER.2.0、更新日:2013.3.19
アポロニウス11号
東京スカイツリーと東京タワーが同じ高さに見える場所を探してブルブルッと教えてくれるアプリ
みのもんたの朝ズバッ!(TBS)の2012年12月24日放送でスカイツリーと東京タワーの絶景スポットを探したアプリです。
スカイツリーご自慢ライブショー(MXテレビ)の2013年1月6日放送で紹介されたアプリです。
グーグルPlayストアで無料ダウンロード可能です。
最新更新情報:スカイツリー発見機能を搭載
現在のバージョン:VER.2.0、更新日:2013.4.4
付録その1:スカイツリー移転アプリが自動計算する結果(秋葉原編)
角度差209度となるJR秋葉原の例で解説してみましょう。
全自動を実現しています!
・基本的にアプリを起動するだけなので、御利用者様の方で入力するデータはありません。
@現在地の自動取得
・現在地はスマホのGPS機能をそのまま利用しています。
A東京タワーからの距離
・現在地と東京タワーまでの距離を自動計算します。
・東京タワーの緯度経度はインプット済みです。
B東京タワーからの方位角
・現在地と東京タワーの方位角を自動計算します。
・北を0度として時計回りに360度表記となっています。
C東京スカイツリーからの距離
・現在地と東京スカイツリーまでの距離を自動計算します。
・東京スカイツリーの緯度経度はインプット済みです。
D東京スカイツリーからの方位角
・現在地と東京スカイツリーの方位角を自動計算します。
・北を0度として時計回りに360度表記となっています。
E東京タワーと東京スカイツリーの角度差
・東京スカイツリーの方位角−東京タワーの方位角を絶対値表記。
F簡易ロケーションマップ表示
・スカイツリーを中心に4ゾーンに分けて4種類のマップを表示。
G現在地の地図を表示
・グーグルマップにリンクします。
・精度向上のための確認ボタンとしてご利用ください。
自動計算を繰り返すアプリですので直感的にご利用いただけると存じますが、方位角の考え方についてご説明が必要であると感じ、マニュアルを作成いたしましたので、是非ご一読ください。
バージョン2.0アップ以降は、関東三大ローカル局(千葉テレビ、テレビ埼玉、テレビ神奈川)も追加しています。
イメージ写真:角度差180度ぐらいのアンテナ設置例
付録その2:スカイツリー移転アプリが自動計算する結果について(新小岩編)
次に、タワーとツリーの角度差19.15度となる弊社の例で解説してみましょう。
立ち上げるだけで自動計算してしまいます。笑。
実際のアプリ画面です。
手前味噌ですが「新旧の東京タワー」の角度差ということで両方の角度差を計算しているところに「アンテナ工事屋」が求めていることを知っているという
自負があります。もちろん、関東三大ローカル局との角度差も「新旧の東京タワー」の両方とも自動計算しています。うふふ。
送信場所のイメージが湧くようになれば、簡単に理解できるようになります。
計算結果のイメージ図です。
千葉テレビは「船橋」送信所、テレビ埼玉は「浦和」送信所、神奈川テレビは「鶴見」送信所、...と地名と地図が一致するようになればもう大丈夫です。
この手の仕事は馴れてくると「終了」となる傾向があります。苦笑。
送信所・中継局 |
距離(km) |
方位角(度) |
東京タワー |
12.3 |
56.3 |
スカイツリー |
4.5 |
75.4 |
千葉テレビ |
17.4 |
278.2 |
テレビ埼玉 |
26.5 |
123.8 |
テレビ神奈川 |
27.9 |
39.0 |
東京アンテナ工事(株)オリジナルアプリです。
計算結果表です。
方位角から角度差を計算するプログラムを組んでいます。
神奈川テレビとスカイツリーの角度差、神奈川テレビと東京タワーの角度差の両方を自動計算
上の例の神奈川テレビを考えた場合、東京スカイツリーからの方位角は、75.44153度、
東京タワーからの方位角は、56.29089度、神奈川テレビからの方位角は、36.34737度となり、
スカイツリーと東京タワーの角度差(絶対値TST-TT)は、19.15064度、
スカイツリーと神奈川テレビの角度差(絶対値TST-K)は、36.34737度、
東京タワーと神奈川テレビの角度差(絶対値TT-K)は、17.13674度となります。
イメージ写真:弊社方面からは、右からスカイツリー、富士山、東京タワーがこのような大きさに見えます。
弊社の場合、東京スカイツリーからの距離が4.5kmで東京タワーとの角度差も19度ということで屋上のアンテナの受信レベルはかなり上昇しましたが、
本業なので自分で直しました。笑。
対策員各位
対策工事が無事完了した暁には、是非、スカイツリー観光を楽しまれてからご帰郷ください。
by 東京スカイツリーファンクラブ
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