=アンテナの前と後ろは?=
水平偏波と垂直偏波は、アンテナ素子が偏波に一致するように設置します。ちなみに東京タワーのデジタル地上波は水平偏波なので写真上のように設置します。東京23区内でVHFアンテナがあった場合、ほぼ100%に近い確率で東京タワー(港区)の方向を向いているので、アンテナ工事屋は道に迷ってもVHFアンテナを見つけられれば、家に帰れるという特技を持っています。
ゴースト東京アンテナ用語事典より
正像に対し、ダブって映像が映っている様。ゴーストの正体は反射波で、直接波(希望波)に対して反射している分だけ遅れてアンテナに入ってくる。これを路長差というが、一般的に電波は光と同様に1秒間に30万km進むから1μs(100万分の1秒間)には300m進む。つまりゴーストの遅れ方を探ることで路長差が計算できることになる。2重、3重以上のモノを多重ゴーストやマルチゴーストと呼ぶ。画面に垂直な横幅数センチのゴーストが出ることがあるが、これをブランキングゴースト、CATV等大規模な施設の場合には空中波とケーブル内で信号の伝わる早さが違うため、正規の電波よりも先に空中波が飛び込む場合があり、これは通常のゴーストの逆の左側に出るため、左ゴーストや前ゴーストと呼んでいる。ゴーストはデジタル電波では発生しないため、地上波デジタル放送が普及すれば解決する問題とされている。混乱するかも知れないが、デジタル地上波の世界ではゴーストというか反射波のことをマルチパスと呼んでいる。
Q.テレビ電波は、どこから飛んでくるの?東京アンテナ無料相談所より
A.東京タワー(東京都港区、VHF1〜12ch、UHF14ch、16chのアナログ地上波、20〜27chのデジタル地上波、放送大学デジタル28chも予定)と答えれば良さそうですが、神奈川テレビ(神奈川県鶴見区、UHF18chデジタル放送、42chアナログ放送)や千葉テレビ(千葉県船橋市、UHF30chデジタル放送、44、46chのアナログ放送)、埼玉テレビやみなとみらい局、多摩局など関東にはたくさんの放送塔があり、関東圏をカバーしております。建造物の地域にあった受信状況を把握して適切な事前調査を行うことをおすすめいたします。
=家庭用増幅器って、どんなのでしょうか?=
左は家庭用増幅器(日本アンテナ:N-40CW(定価46,200円))、右は共聴用増幅器(日本アンテナ:CSW-40S(定価228,900円))
=いくら、かかるの?=
家庭用と共同受信の機器の違い
地デジ導入の工事費は、戸建(2階建て:4LDK)で平均5〜8万円、地デジ以外のBSデジタルやCSデジタルを追加すると10万円を超えることがあります。
戸建(2階建て:4LDK)と同じ家庭用機器※で、5,6世帯の小規模集合住宅を工事をすればほぼ同じ金額になります。
※テレビの機器類はアンテナから増幅器まで「家庭用機器」と「共同受信用機器」の2種類があり、性能・耐久性・金額に大きな差があります。
ところが10世帯を超えて3階建て以上で...となれば、立派な集合住宅です。45cmの家庭用のBSアンテナでは悪天候時に頻繁に映らなくなり、入居者様の苦情が増えます。家庭用の増幅器を使用しても同じようなことが起こります。個人で設置して個人で楽しむ場合であれば、個人の責任で納得すればよいでしょう。しかし共同使用となれば、やはり設置した方の責任が問われるのではないでしょうか。
では、戸建で10万円なら10世帯の集合住宅では、100万円でしょうか?これは明らかに違います。
共用部負担÷世帯数がカギ?!
1つの建物に1つだけの機器や複数の世帯で共有できる機器が、テレビ設備にはかなりあります。これらをまとめて共用部といいます。
共用部の総額がたとえ高額なものとなった場合でも、世帯数が多ければ1世帯あたりの負担(総額÷世帯数)は軽くなりますので、高性能のものが廉価に共有できるというメリットを生み出します。
大きなマンションの場合、スケールメリットを活かしてテレビ設備に高性能の機器(例:ゴースト除去装置、チャンネル変換装置、等)を装備され、近所のマンションよりも「テレビの映りが良いマンション」となっているケースが多くあります。
特にアンテナ受信部分については、100世帯のマンションでも10世帯のマンションでも1つしかありませんので、世帯数によって1世帯あたりの負担金額が大きく変わっていきます。
未来もしっかり映るテレビ設備の構築
地デジでも、確実性や安定性(受信マージン)を上げるためには、共用部にしっかりとした工事を実施することが大きなポイントとなります。
※家庭用の機器から集合住宅用の機器に切り替わる5世帯程度以上から20世帯以下の集合住宅の場合、1世帯あたりの負担が世帯数に大きく反映する傾向があります。
各地域ごとの電波特性・各メーカーの機器性能など、工事件数をこなしていなければ得られない情報と経験が弊社にはあります。是非、アンテナ工事専業の東京アンテナ工事(株)にお任せ下さい。
Q:家庭用アンテナと共聴用アンテナって違いは何?(アンテナ相談より)
Q:衛星アンテナは大きい方がいいの?(アンテナ相談より)
右から共聴用VHFアンテナ、家庭用VHFアンテナ、共聴用BSCSアンテナ、家庭用BSCSアンテナです。
家庭用はプラスチック部分が多く、ステー(補強材)が小さいのが特徴。アンテナ図鑑より
機材価格の上昇について
アンテナから同軸ケーブルまで値上がりが続いています。
各メーカーとも材料高騰により近年、機材価格が急上昇しています。某アンテナメーカーの平成16年3月、平成18年6月、平成20年3月のカタログ掲載価格を比較してみます。型番は同じものを選択しています。(税込)
種別 |
平成16年3月 |
平成18年6月 |
平成20年3月 |
平成21年3月 |
家庭用アンテナ |
4,704円 |
4,935円 |
5,460円 |
|
家庭用増幅器 |
12,075円 |
12,075円 |
13,335円 |
|
共聴用アンテナ |
26,250円 |
27,615円 |
30,450円 |
|
共聴用増幅器 |
50,400円 |
50,400円 |
55,440円 |
|
4年間で、アンテナは20%、増幅器は10%、それぞれ値上がりしている。
NHK受信料について
意外に理解されていないNHK受信料
詳しくはNHKにお問い合わせいただきたいですが、地上波アナログ放送、地上波デジタル放送、BSアナログ放送、BSデジタル放送をアンテナで受信している場合はもちろん、ケーブルテレビやフレッツテレビ、電波障害施設等で受信している場合の全てにおいて、NHK受信料は発生します。したがって、NHKの放送を受信することのできる受信設備を設置した場合、どの方法(アンテナ、ケーブルテレビ、フレッツテレビ、電波障害施設、共聴施設等)でも等しくNHK受信料は発生します。
放送法第三十二条(受信契約及び受信料)
(受信契約及び受信料)
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
2 協会は、あらかじめ総務大臣の認可を受けた基準によるのでなければ、前項本文の規定により契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならない。
3 協会は、第一項の契約の条項については、あらかじめ総務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様とする。
※協会とは日本放送協会(NHK)のことです。
デジタル放送も受信すると高額になる?
いいえ。地上波ならアナログ、デジタルに関係なく、一律です。もちろん両方見ていても同額です。
受信料契約には何種類ありますか?
2種類です。「地上契約」と「衛星契約」があります。
デジタル、アナログの違いによる契約の違いはなく、地上波しか受信することのできない場合が「地上契約」、衛星放送を受信できる場合が「衛星契約」です。「衛星契約」は「地上契約」を含んでいますので、どちらか1つの契約となります。衛星しか受信できない場合にどんな契約になるか等についてはNHKにお問い合わせ下さい。
いくらですか?
放送受信料額(消費税込)
種別 |
月額 |
2か月払額 |
6か月前払額 |
12か月前払額 |
地上契約 |
1,345円 |
2,690円 |
7,650円 |
14,910円 |
衛星契約 〈地上契約含む〉 |
2,290円 |
4,580円 |
13,090円 |
25,520円 |
難しい質問集
1.2世帯住宅に住んでいて、息子夫婦は払っている。わしも払うのか?
2.息子が下宿をした。もちろん実家では受信料を払っている。息子も払うのか?
3.自動車にテレビを付けた。もちろん実家では受信料を払っている。自動車の分も払うのか?
4.テレビを10台保有している。やばい?
5.マンションで隣接する部屋を2つ所有しているが、2契約必要なのか?
NHKのホームページに「放送受信契約は世帯ごとに結んでいただきます。「世帯」とは、「住居」と「生計」をともにする方々の集まり、または、独立して「住居」もしくは「生計」を維持する単身の方をいいます。ひとつの住居に複数台テレビがあっても、受信契約はひとつで構いません。自家用車にテレビがあっても、住居の一部とみなします。一世帯でマンションなどの複数の部屋をお持ちの場合も、同じ棟であればひとつの住居とみなします。」と記載されています。だいたい解決できそうです。
なるほど知識
1.沖縄県は受信料が違う?
2.特例はありますか?多数契約一括支払・団体一括支払・家族割引。NHKのホームページに「空港、基地の周辺でお支払いいただく場合、国などから住民のみなさまへ交付される助成金・補助金を差し引いた額となることがあります。」と記載されています。たぶんフラッター障害(テレビ電波障害の1種)が起きるからかなと思います。
3.「日本放送協会放送受信料免除基準」に該当する場合は、放送受信料の全額または半額が免除となります。 例:学校(小学校・中学校・幼稚園・特別支援学校等の教室) 等。詳細はNHKにお問い合わせ下さい。
=BSCSマンション衛星放送導入工事=
BSデジタルマンション導入工事、e2 by スカパー!(CS110度)マンション導入工事等のBSCS衛星放送マンション導入工事
弊社では、テレビユニット交換工事が100個以上の現場も珍しくありません。共用部工事以外に宅内工事が発生するような現場こそ、アンテナ工事専業のノウハウが活きると考えています。
ビル共聴:東京アンテナ工事(株)で直列ユニット(テレビ端子)の写真を多数公開中です。貴マンションの建築年数の指標となると思われますので、是非、ご覧下さい。
BS・CS110度兼用アンテナ。すでにビル共聴のスタンダードとなりつつあります。
仕様別増幅器価格比較
BL型番 | 対象電波 | 型番検索 |
CATVCSBS-1 | CATVBSCS | |
CSBSUV-1 | VHFUHFBSCS | |
CSBS-1 | BSCS | |
CATV-1 | CATV | |
V-2 | VHF | |
U-2 | UHF | |
UV-2 | VHFUHF | |
BS-1 | BS | |
BSUV-1 | VHFUHFBS | |
東京スカイツリーから電波はいつ出る?!
2012年以降だと思われます。
2011年7月24日のアナログ終了と同時に東京タワーから東京スカイツリーに移行されると思っている方が多いようですが、東京スカイツリーの工期(2011年12月竣工予定)やリパック(アンテナ用語)や試験放送期間(地デジはアナアナ終了後、試験電波発射期間を経て、2003年12月の放送開始から段階的なパワーアップを行い、2005年12月のフルパワーまで2年の歳月をかけています。)などを考えると、本格的に電波を出すまでにはしばらくかかると思われます。したがって東京タワーを送信所とする地デジ受信エリアでは、東京タワーに向けての地デジ対策が必要と考えられます。
チャンネルリパックとはなんでしょうか?
リパックとは、チャンネル切替のこと。現在、地上テレビジョン放送の周波数は、VHF帯/UHF帯(1〜62ch)を使用しており、デジタル放送はUHF帯(13ch〜62ch)を使用可能であるが、周波数資源の再配分のため、2012年7月25日以降の地上デジタル放送は、13ch〜52chを使用することとなっているが、アナログとデジタルのサイマル期間中は、周波数が逼迫状況にあり、地上デジタル放送を日本全国に送り届けるためには、53ch〜62chのチャンネルも使用せざるを得ない状況のため、これらのチャンネルを使用するデジタル中継局は、2011年7月のアナログ放送停波後、1年の間(2011年7月25日から2012年7月24日)に52ch以下にチャンネル切替(リパック)を行う必要がある。チャンネルのリパックは、視聴している地上デジタル放送のチャンネルの一部が切り替わるため、受信機のリモコンの再スキャンの作業が必要であったり、共聴施設のヘッドエンド部が切替後のチャンネルに対応していない場合、調整や取り替え工事が必要であったり、切替対象のチャンネルを使用する中継局(73局所)の送信機の切替工事が必要になる。また切替によって新たにデジタル混信が発生した場合は、その対応も必要である。なによりも総務省や電波監理審議会の周波数割当計画の変更がたいへんそうである。
東京タワー以外からもデジタル地上波が送信されると聞いたが...?!
多数のデジタル中継局が予定されています。
東京タワーからの電波が弱い地域ではデジタル地上波放送局(または中継局(送信所))の置局が予定・検討されています。すでに宇都宮局(栃木県)や平塚局(神奈川県)などでは送信が開始されています。また逆に廃局が検討されている地域もありますので、アンテナの向きなど注意が必要です。
それは東京スカイツリーとは違うのでしょうか?
東京スカイツリー(新東京タワー(すみだタワー):東京都墨田区押上)は、東京タワー(港区)に代わるテレビ塔として新設されると考えられていますので、アナログ終了までは、現在の東京タワーがデジタル放送も送信しています。したがって、現在の東京タワーのデジタル放送が届かない地域には、デジタル地上波放送局(または中継局(送信所))の置局やギャップフィラー等の対応方法が検討されています。
全国で2200局以上の地上波デジタル放送の中継局の設置が予定
2011年7月24日の地上波アナログ放送完了までに全国で2200局以上の地上波デジタル放送の中継局の設置が予定されており、現在地上波デジタル放送が見えない地域も早急にカバーされていく方針です。しかしながら、中継局が増加するとDD混信(地上波デジタル放送と地上波デジタル放送の混信障害)の発生も予想されます。正しい知識(置局・廃局情報)と正しい工法(混合方式)で施工する技術力が求められています。
2009年の八王子デジタル局
2009年の八王子デジタル局
東京近郊では、2009年の八王子デジタル局が注目されています。(その他の新局については、下記デジタル地上波中継局リスト(2008.3.31)をご覧下さい。
多摩デジタル局の計画を廃止/八王子デジタル局、永山デジタル局、鶴川デジタル局を置局
電波監理審議会会長会見用資料/平成19年12月12日放送用周波数使用計画の一部変更案について(平成19年12月12日 諮問第41号)より
(1)多摩のデジタル局(東京都)に係る変更
@ 多摩デジタル局は、当初、出力20W で多摩アナログ局と同一場所に置局し、東京デジタル局及び多摩デジタル局によって、多摩アナログ局エリア及び八王子アナログ局エリアをカバーすることを想定して放送用周波数使用計画が策定されていた。
A しかしながら、関係する放送事業者がそれらのエリアにおいて電界強度測定を行った結果、多摩アナログ局エリア内のほとんどの地域では東京デジタル局の受信が可能であるものの、受信できない地区として八王子アナログ局エリア内(約50,000 世帯)及び立川・昭島地区並びに多摩アナログ局の設置場所近傍の2地区(多摩市永山地区、町田市三輪地区)があることが判明した。これらの地区は、多摩デジタル局も受信不能である。
B 更に、多摩デジタル局を計画どおり出力20W のままで置局した場合、デジタル混信が八王子エリアの約3,000 世帯に発生するおそれがあることが計算機シミュレーションにより判明した。
C このため、立川・昭島地区、八王子アナログ局エリア内及び多摩アナログ局の設置場所近傍の2地区(多摩市永山地区、町田市三輪地区)のデジタル受信を確保しつつ、デジタル混信の対策のため、現行の多摩デジタル局(20W)の計画を廃止し、新たに八王子アナログ局エリアに八王子デジタル局(3W)を、多摩アナログ局エリアに永山(仮称)デジタル局(0.3W)、鶴川(仮称)デジタル局(0.3W)を置局する。このため、放送用周波数使用計画の変更が必要である。
※ 八王子デジタル局(3W)、永山(仮称)デジタル局(0.3W)及び鶴川(仮称)デジタル局(0.3W)は、いずれも放送用周波数使用計画には掲載されない中継局であり、放送事業者として置局を計画しているもの。
※東京アンテナ工事(株)からの注意:平成19年12月12日の資料を転載。この後の平成20年3月31日に公表されたデジタル中継局リストには八王子デジタル局、永山デジタル局及び鶴川デジタル局は、掲載されている。
送信所・中継局関連コンテンツ(弊社オリジナル)
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